私が唯一、出入り禁止になった雀荘

わたしが学生の頃(10数年前)に一時期通っていた雀荘があった。
レートの割りに場代が安く(2-2-4 場代500)、客層のレベルも比較的・・・というかだいぶ甘かった。

その雀荘には私は17時くらいから行くようにしていた。
どうもこの雀荘には野球観戦が好きな人が多く集まっていたようで、18時から始まるプロ野球のナイター中継に合わせて客が入り始めるのだ。

店内には大きめの液晶テレビが設置してあって、ほとんどの客は野球観戦をしながら麻雀を打っていたのだ。
そう、この店に来るほとんどの客の目当ては麻雀ではなく野球観戦もとい野球賭博だったのです。

他の客が野球観戦に気を取られながら麻雀を打っている中、私は淡々と麻雀を打っていたので自ずと結果が付いて来ていました。

野球賭博を成立させる「ハンデ」というシステム

何度も通っているうちに声を掛けられた。

名無しおじさん(お店の人かも不明)
君もやりなよ。メールアドレスを教えてくれれば毎日ハンデを送るよ
若き日の私(このブログの管理人)
ハンデ?なんですかそれ?

野球賭博は「強いチーム」VS「弱いチーム」で対戦する場合、当然「強いチーム」が人気になる。その人気を分散させるためにハンデというものがあるらしい。
※先発するピッチャーなどで考慮される

野球賭博のハンデ表

引分 1点差 2点差 3点差 4点差
0.3 3分負 7分勝 丸勝
0.5 5分負 5分勝 丸勝
1.0 丸負 ドロー 丸勝
1.3 丸負 3分負 丸勝
1.5 丸負 5分負 丸勝
1半 丸負 丸負 丸勝
1半3 丸負 丸負 7分勝 丸勝
1半5 丸負 丸負 5分勝 丸勝
2半 丸負 丸負 丸負 丸勝
2半5 丸負 丸負 丸負 5分勝 丸勝

例)
「強いチーム」 VS 「弱いチーム」の場合
強いチームから1.0のハンデなら2点差以上つけて勝利すれば勝ち。勝利していても1点差なら負けとなる。

この複雑なハンデというものが人気を二分するように絶妙に設定されているらしい。
テラ銭は賭けに勝った試合の10%。これが胴元の取り分となる。

若き日のLAG
なるほど。おじさんが胴元ってわけですね?
名無しおじさん
違うよ。俺はただの中継、胴元はもっと上だよ。
若き日のLAG
あ~代理店みたいなものですかね。
名無しおじさん
そういう事だ。

賭けが偏った時や受けきれない時に上に流したり、他の代理店(中継)同士で助け合ったりするわけだ。という事までわかった。

しかしだ、テラ銭が勝ち試合の10%とバカ高く、セリーグとパリーグの区別すらついていないくらい野球に興味のなかった当時の私がこれに参加するはずがなかった。

1/2を当てるゲームで当たる毎に10%徴収されてたらたまらん。やればやるほどマイナスになるのは目に見える。

若き日のLAG
ちょっとよくわからないから遠慮しときますよ
名無しおじさん
明日来た時にでも少しやってみな。やれば面白さがわかるよ。

次の日から店に行くたびに誘われるようになったが、のらりくらりと誘いを断り続けて数ヶ月。日本プロ野球の公式戦が終わり日本シリーズが開幕した頃、帰り際店の外でこう言われた。

名無しおじさん
最後に少しでも張れや。
若き日のLAG
ん~。(嫌さ~)
名無しおじさん
ここで麻雀打ちたいなら少しは張れや。でなければこの店には来るな!
若き日のLAG
ひ~。(怖い)

というやりとりがあってめでたくこの店は出禁になりました。

今思い返すと若かったとは言え、こういう店に通うのはリスキーだった。むしろ出禁にしてもらったおかげで歯止めがついて良かったのかも知れません。

現在、読売巨人軍の選手が野球賭博に関与したことが話題になっています。
野球賭博と聞くと反社会的勢力が胴元になって行われるものという印象を持ってしまう。今の段階では、巨人の選手達とのつながりがあるかどうかはわからないが、いずれせよ黒いイメージが付きまとうのは間違いない。

若き日のLAG
危うきに近寄らず
(この雀荘さすがに今は残ってないですよ)